記録 三
百年前の出土
開湯から約四十年後、あわらで新しい源泉を掘るたびに、人の形をした奇妙な像が一体ずつ掘り出された。像は三体。それぞれが違う型の阿樹羅をかたどっていた。
掘り出された三つの像
| 像 | 出土地 | かたどった型 | 現在 |
|---|---|---|---|
| 舟津の像 | 舟津 | 獣脚類型。二本足で立ち、長い尾をもつ | 湯けむり観測所が保管 |
| 二面の像 | 二面 | ケラトプス型。頭に大きな角、首のまわりに盾のような飾り | 湯けむり観測所が保管 |
| 田中の像 | 田中 | 海竜型。かつての海を泳いだ竜の姿 | 所在不明 |
像が出た土地では、そのたびに土地を清め、像を納めたと出土品台帳にある。像はその後、長く行方が分からなくなった。のちに二体は見つかったが、田中の像だけは今もどこにあるのか分かっていない。
像は阿樹羅を崇めるための道具であり、同時に阿樹羅を鎮める封印でもあったともいわれる。
型について
ケラトプス型:二本足で歩く。独特の角と強い力をもつことから、「鬼」として恐れられていたという。
海竜型:今から約7000〜6000年前、海は内陸深くまで入り込んでいた(縄文海進)。あわら一帯もかつて海の底にあったことを、この像は示しているのかもしれない。
復元図
像と記録をもとに描かれた、阿樹羅の復元図。二体は対になる姿勢をとっている。